インクのろ過のすべて

Kyle Pucci, 4月 20, 2018

濾過はインクの製造工程において重要なステップです。しかしながら経験上、インクメーカーがインクをフィルターに通したからといって、お客様のシステム上でインクの濾過を省略できるわけではない、と言えます。インクは時間とともに変化し、対策を講じないとその変化はシステムに悪影響を及ぼす可能性があります。この記事では、さまざまな種類のインクに対するフィルターの役割について説明し、正しいものを選択して適切な場所に設置するための提案をします。

どのようなものがあるか?

ひと口にフィルターといっても、さまざまな種類のものがあります。最もシンプルなのは、金属製のメッシュを編み込んだタイプのもので、編み込まれた「金属布」から直接、フィルターの製品形状に切り出すものです。フィルターが通過させる粒子の大きさは、ワイヤーの太さ(ゲージ)と、重なっているメッシュ層の数によって決まります。一般的にフィルターは、印刷の解像度のように、単位長さあたりの開口部の数である「メッシュ数」で指定されます。下の図では、交差したワイヤーと開口部が形成されている様子と、「メッシュ数」と「フィルターが効果を発揮する粒子径」の関係を示しています。


これらのメッシュは、ステンレス製のハウジングに溶接され、フィルターユニットを形成します。化学的な耐性が非常に高く、強酸性、高溶解度、高温のインクなど、耐薬品性が不可欠なシステムに適しています。このタイプのフィルターは、粗い粒子の除去には非常に優れていますが、表面積が比較的小さいため、目詰まりを起こしやすくなります。

現在、市場に出回っているインクジェット機器のほとんどが、高分子膜フィルターを採用しています。カプセルフィルターは、高分子膜フィルターの一種です。カプセルフィルターは通常、インクシステムの中で、インクがシステムに入る前に濾過するフィルフィルターとして、または循環フィルターとして(インクシステムにこの機能がある場合。下図を参照)、使用されます。カプセルフィルターは、インク製造に使用されるフィルターと同様に、表面積を増やすためのプリーツ加工と多層構造化がなされており、フィルターができるだけ長持ちするよう設計されています。

またディスクフィルターも、高分子膜フィルター製品の一種です。ディスクフィルターの最も一般的な用途は、ラストチャンスフィルター(LCF)と呼ばれるもので、リザーバー(サブタンク)の下流に設置し、プリントヘッドに入る直前にインクを濾過します。これは、エンドシューター(非循環式)プリントヘッドを使用したマルチパスプリンターで特によく見られます。これらのフィルターは低コストゆえ、インクの種類を変更するときにセットで容易に交換できるため、ラボの実験機でもよく使用されます。これらのフィルターは、比較的早期に目詰まりが起きるため、循環式システムではあまり一般的ではありません。

結論:インクジェット機では、通過するインクの量に応じて、高分子膜のカプセルフィルターかディスクフィルターを使用するのが主流です。また、高温や強い薬品耐性が必要な場合に、金属製のメッシュフィルターで代用する場合もあります。

どこに配置すべきか?

下の模式図では、エンドシューター型や循環式プリントヘッドと組み合わせて使用されるさまざまなタイプのインクシステムで、フィルターがどのように使用されるかを示しています。


フィルターの主な役割は、システム内のインクを継続的にきれいにすることなので、インクがシステムと相互作用することで生じる可能性のあるゴミを捕らえるように配置する必要があります。インクシステムの中でも、特にUV硬化型インクを使用している場合は、インクの熱的・機械的劣化の原因となるヒーターやポンプの直後に配置することが多いです。金属やガラスの接着によく使われるようなカチオン性のUVインクは、特に熱に敏感です。脱気モジュールは、フリーラジカルタイプのUVインクに対しては、酸素がない状態では反応性が高まる可能性があるゆえ、その反応性にも影響を与えます。

由于过滤器的主要作用是确保系统中墨水的持续清洁,因此应将其放置在捕获墨水与系统相互作用可能产生的任何碎屑的位置。在油墨系统中,尤其是在使用 UV 固化油墨时,这往往是在加热器和泵之后,可能导致油墨的热劣化和机械劣化。阳离子 UV 油墨,例如经常用于金属和玻璃粘合的油墨,对热特别敏感。脱气模块也会影响自由基型UV墨水的反应性,因为在无氧条件下反应性可能会增加。

結論:フィルターは、ヒーターや脱気装置、ポンプなど、インクに負荷がかかりそうな場所の後段に設置するのが基本です。ただしこれらの装置が流量変化により圧力損失を引き起こし、メニスカス制御に影響を与える可能性があることを覚えておいてください。

適切なメッシュサイズは?

プリントヘッド製品の中には、独自のラストチャンスフィルターをヘッドの構成品の一部として組み込んでいるものがあります。セイコー508GS、コニカミノルタKM1024i、Fujifilm Dimatix Sambaでは、金属メッシュフィルターがインク経路に組み込まれており、Fujifilm Dimatix Q-Class、リコーMHシリーズでは、個々のインクチャネルにパンチングフィルムが組み込まれています。このような最後の砦を守るために、インク供給系のフィルターサイズを適切に選択するのが賢明です。さもなくば、ノズルだけでなくヘッドそのものの寿命にも影響を与える可能性があります。

一般的なインク供給フィルターのサイズは、顔料インクの場合は5~6um、染料インクの場合は1umで十分です。循環システムでは、10umのフィルターを使用することで、フィルターの交換周期とヘッドの保護を両立できます。粒子が沈降して凝集体になる可能性のある白インクでは、10umのフィルターでも目詰まりする可能性があるため、より大きなフィルターが必要になるかもしれません。金属粒子を含むような特殊なインクでは、高いメッシュ数(小さいメッシュ)では問題があるかもしれません。

In some cases, it may be possible and/or desirable to use staged filtration regime. In this scheme, often used in ink manufacturing, the filtration is stepped down 20um -> 10um -> 5um, for example. Although slightly costlier from a periodic service perspective, this approach can result in a decreased failure rate with time (and associated reliability) and still ultimately protect the head.

結論:フィルターはヘッドを保護するためにあるので、できるだけ小さい目の細かいものを使いましょう。最低でも、ノズルの直径より小さいサイズを選ぶべきです。

フィルターの問題を発見する

フィルターの位置によっては、印刷における不具合の原因となることがあります。先に述べたように、フィルターが大幅に詰まった状態で印刷をおこなうと、プリントヘッドへのインク供給が不足し、印刷時のインク量が不足したり、さらに悪いことに、メニスカスにかかる負圧が強すぎてノズルから空気を吸い込み、インクを吐出できなくなることがあります。もう一つ、一般的に遭遇する現象は、ポンプに高負荷がかかったりインク供給に長時間を要して、システムへのインク供給が間に合わなくなることです。こうなったらインク供給フィルターの交換が必要です。

どのような症状が出るかは、どのようなポンプを使いどのように動作させているかなど、システム設計によって異なります。圧力センサーは、システムの状態をモニターし、問題の発生をオペレーターに通知するために使用することができます。これによりシステムにコストがかかりますが、性能が犠牲になったり、マシンの中でインク流路が爆発(!)したりするよりは、はるかに良いでしょう。

最後に、濾過そのものがインクに与えるリスクについても考慮が必要です。大流量のアプリケーションでは、インクがフィルターを通過する際のせん断力が予想以上に大きくなることがあります。時間が経つと、インクの安定性に影響が出て、意図しない結果になることがあります。お客様にテストしていただく前に、必ず使用する液剤でシステムをテストすることをお勧めします。

結論:システムの他の部分の故障がプリントヘッドをダメにするのを防ぐために、フィルターを簡単に追加することができますが、ただのアクセサリーだと思ってはいけません。フィルターはシステムの重要な部分であり、適切な設計、モニタリング、メンテナンスが必要です。

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